マナマコ養殖試験2017年03月07日

3年間続けてきたマナマコ中間育成試験は、O君とAさんの頑張りもあって高い生残率を期待できる育成施設の開発という成果を得ることができました。
すでに特許出願も済ませ、5月に学会発表を行った後、論文を取りまとめようと考えております。

さて、次なる課題は、この施設を使ってマナマコの養殖ができないかということです。
北海道のマナマコは成長が非常に遅く、産まれてから漁獲までに4〜5年はかかるといわれています。
なので、仮に2年間中間育成しても、あと2〜3年は漁場で育てなくてはなりません。

こうした中、最近はマナマコの密漁が横行しています。
せっかく育てたマナマコが一夜にして盗まれてしまうといったことも多々あるようで、そんな状況が続くようでは漁業者もやる気が失せてしまいます。
もちろん、警察による懸命な取り締まりは行われていますが、密漁の根絶は一筋縄にはいかないでしょう。

そこで考えられるのが養殖です。
これを常に人の目に晒される漁港内で実施できれば、密漁のリスクはかなり低下するはずです。
また、天然物より2〜3年成長を早めて出荷できれば、競争力も一段と増すでしょう。
まだ詳しいことは述べられませんが、この3年間、育成施設開発と並行して行ってきた餌料開発において一定の成果が得られましたので、今年はこれを使って給餌試験を行うことにしました。


秘密の餌料です。
これを施設内に投与し、成長をみていきます。


水中ビデオカメラです。
これを施設内に設置し、稚ナマコがどのように餌に集まったり、摂餌したりするのかを観察します。


このサイズの稚ナマコが給餌により1年でどのくらいに成長するのか楽しみです。

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