卒業研究成果の紹介(2回目) ― 2017年03月15日
2回目は、山本達之介君による「マナマコに対するマコンブ仮根部粉末の給餌形態に関する研究」です。
【目的】東日本大震災により製造中止となったリビックBWに替わりマコンブSaccharina japonicaの仮根部(以下,ガニアシと表記)の粉末がマナマコの初期餌料として有効であることが昨年度の五十嵐の研究により明らかとなった。一方,現状のマナマコ種苗生産では粉末状の飼料が使用されているが,個体間の成長差が大きいことが問題となっており,その改善に向けた給餌法の確立が課題となっている。こうした中,海藻粉末に海泥などの鉱物質を添加した飼料や海藻粉末に鉱物質を加えた上でフロック状に加工した飼料を給餌することにより,マナマコの成長促進が図られることが報告される。そこで本研究では,ガニアシ粉末に鉱物質の添加やフロック化を施した飼料をマナマコに与える飼育実験を実施し,本種の成長に適した給餌形態を検討した。
【材料と方法】本研究では北海道福島産養殖マコンブの生産過程で廃棄された乾燥ガニアシを添加した飼料のほか,これらを鵜沼ら(2013)に準拠してフロック化した飼料を使用した。試験区としてガニアシ粉末単独の飼料,粉末に鉱物質を添加した4つの区(それぞれA区,B区,C区,D区と表記)を設定するとともに,各区には15L角型水槽を各々3基(計12基)割り当て,これらを水温15~16℃のガラス水槽に配置した。供試個体には北海道留萌産の親個体から2016年に人工採苗した体長15mm前後のマナマコ120個体を使用し,これらを上述の12基の水槽に10個体ずつ収容後,2日間隔で全量換水と給餌を行いながら54日間飼育した。実験開始時,17日目,32日目および実験終了時に飼育個体の生存数,体長および体幅を計測するとともに,Yamana&Hamanoの式を用いて標準体長Lを算出したほか,水槽ごとに標準体長増加率LR(=[Le-Ls]×100/Ls)および日間伸長率LD(=ln[Le-Ls]×100/t)を求めた。ただし,Lsは開始時標準体長,Leは終了時標準体長およびtは飼育日数である。
【結果と考察】実験期間中,A,CおよびD区では生存率が100%を推移したが,B区では1個体が消失することにより生存率は90%となった。LはB区が最も高く38.3±9.9mmとなった。LRは値が最も高いB区(98.7±18.4%)と最も低いC区(69.9±12.0%)の間に有意差が認められた(p<0.05)。日間伸長率は,B区(1.6±0.1%/日),D区(1.3±0.0%/日),A区(1.2±0.1%/日),C区(1.0±0.0%/日)の順で高く,B区とC区の間に有意差が検出された(p<0.05)。このように,粉末状の飼料を与えた A区とB区ではそれぞれ同じ原料をフロック化したC区とD区よりも成長率が高くなったことから,体長15mm前後のマナマコでは粉末状のまま給餌する形態が好ましいと考えられた。また,鉱物質を添加したB区とD区ではそれぞれ形態が同じで粉末単独のA区とC区よりも成長率が高い値を示したことから鉱物質の添加はマナマコの成育に効果的であると推察された。
【目的】東日本大震災により製造中止となったリビックBWに替わりマコンブSaccharina japonicaの仮根部(以下,ガニアシと表記)の粉末がマナマコの初期餌料として有効であることが昨年度の五十嵐の研究により明らかとなった。一方,現状のマナマコ種苗生産では粉末状の飼料が使用されているが,個体間の成長差が大きいことが問題となっており,その改善に向けた給餌法の確立が課題となっている。こうした中,海藻粉末に海泥などの鉱物質を添加した飼料や海藻粉末に鉱物質を加えた上でフロック状に加工した飼料を給餌することにより,マナマコの成長促進が図られることが報告される。そこで本研究では,ガニアシ粉末に鉱物質の添加やフロック化を施した飼料をマナマコに与える飼育実験を実施し,本種の成長に適した給餌形態を検討した。
【材料と方法】本研究では北海道福島産養殖マコンブの生産過程で廃棄された乾燥ガニアシを添加した飼料のほか,これらを鵜沼ら(2013)に準拠してフロック化した飼料を使用した。試験区としてガニアシ粉末単独の飼料,粉末に鉱物質を添加した4つの区(それぞれA区,B区,C区,D区と表記)を設定するとともに,各区には15L角型水槽を各々3基(計12基)割り当て,これらを水温15~16℃のガラス水槽に配置した。供試個体には北海道留萌産の親個体から2016年に人工採苗した体長15mm前後のマナマコ120個体を使用し,これらを上述の12基の水槽に10個体ずつ収容後,2日間隔で全量換水と給餌を行いながら54日間飼育した。実験開始時,17日目,32日目および実験終了時に飼育個体の生存数,体長および体幅を計測するとともに,Yamana&Hamanoの式を用いて標準体長Lを算出したほか,水槽ごとに標準体長増加率LR(=[Le-Ls]×100/Ls)および日間伸長率LD(=ln[Le-Ls]×100/t)を求めた。ただし,Lsは開始時標準体長,Leは終了時標準体長およびtは飼育日数である。
【結果と考察】実験期間中,A,CおよびD区では生存率が100%を推移したが,B区では1個体が消失することにより生存率は90%となった。LはB区が最も高く38.3±9.9mmとなった。LRは値が最も高いB区(98.7±18.4%)と最も低いC区(69.9±12.0%)の間に有意差が認められた(p<0.05)。日間伸長率は,B区(1.6±0.1%/日),D区(1.3±0.0%/日),A区(1.2±0.1%/日),C区(1.0±0.0%/日)の順で高く,B区とC区の間に有意差が検出された(p<0.05)。このように,粉末状の飼料を与えた A区とB区ではそれぞれ同じ原料をフロック化したC区とD区よりも成長率が高くなったことから,体長15mm前後のマナマコでは粉末状のまま給餌する形態が好ましいと考えられた。また,鉱物質を添加したB区とD区ではそれぞれ形態が同じで粉末単独のA区とC区よりも成長率が高い値を示したことから鉱物質の添加はマナマコの成育に効果的であると推察された。
