臨海実験所報告会2018年02月20日

本年度も寿都町において臨海実験所を活用した研究の成果報告会を開催しました。
今回の発表会では、研究テーマが多岐にわたっていたにもかかわらず、多くの出席者から各テーマの有機的なつながりを意識したご意見をいただきました。

とりわけ、寿都町沿岸では大型海藻が生えないことにより漁業生産の低迷が続く磯焼け現象が深刻な問題となっている中で、1)稚魚類の生物生産の向上策として藻場造成だけでなく落ち葉堆積場の保全や整備が重要になることや、2)磯焼けの持続要因としてキタムラサキウニに並んでクボガイやコシダカガンガラの海藻に対する摂食圧が無視できなく、これらの食用利用を通じて磯焼けの緩和を考えるべきであること、さらには、3)ヨコエビ類の生産性の高さを今後も維持していく上で必要な環境条件を明らかにすべきであることなどは特筆に値するご意見でした。
今回の討論を踏まえ、当臨海実験所では今後も地域連携による課題解決に取り組んでいきたいと考えております。

また、今回参加した4年生も討論を通じて自分たちが取り組んだ研究成果が地域の問題解決につながっていることを認識できたのではないかと思います。
今後も本学が地域産業の活性化に貢献すべく、成果報告会を続けていきたいと考えております。